・五十肩忘れ激痛走りけり

保土ヶ谷駅で電車を降り、
国道一号線沿いを保土ヶ谷橋へ向かいながら
ぷらぷら歩いておりました。
カウンターだけの焼き鳥屋があり、
このごろとんとご無沙汰のコットンクラブがあり、
わたしと同年齢のなべちゃんが経営する
グラン・ブルーがあり。
ひょいと覗くと、
いつものY姐さんが
ドアのそばのいつものカウンターに。
Yさんきょうも来ているなぁ。
二歩三歩。
通り過ぎようとしま…。
と、
Yさん視線を感じたか体をこちらへねじった。
あ、どうもどうもで
わたしは右手をサッと挙げ
あばよ、
かっこよく去るはずであった。
のに、
Yさんに見とれ、
五十肩を忘れて手を挙げた瞬間、
雷が落ちたような激痛が走り
わたしはしばし歩道に蹲りました。
いっってーーーー!!
身の程を知りました。

・さやさやと娘招きし薄かな  野衾