十五期目

 

・淵淵乎我が履む路に光り有り

新井奥邃がアメリカから日本に帰国し
百年目に当たる一九九九年の
十月一日に弊社は創業しましたから、
きょうから十五期目に入ります。
(奥邃が横浜に到着したのは一八九九年八月一日)
昨日、
ハウナニ=ケイ トラスク著
『大地にしがみつけ――ハワイ先住民女性の訴え』
を訳され弊社から刊行した
松原好次先生が来社されました。
この翻訳書は二〇〇二年七月の刊行ですから、
十一年前のことになります。
十四期の最終日に、
弊社とご縁のある先生から
大事な仕事をいただけたことに
心より感謝します。
松原先生に申し上げました。
春風社は、
売れ線を頭で考えて
ヒット商品を出そうとは考えません。
出す頭も持ち合わせません。
また骨董的な本を出す気もありません。
読んでくださる方の数は少なくても、
深くモノを考える、
考えようとする人に届く本をつくりたい、
人を元気にし
生きる勇気を与える本をつくりたい、
その意味で、
ご提案くださった本を
ぜひ弊社でやらせてください云々。
先生、
笑顔で帰っていかれました。
ありがとうございました。

・一言は万意を蘊す生命(いのち)かな  野衾