身を包む

 「つみ」、「けがれ」というのは、いつもいっているように、「つみ」というのは人を殺したとか、そういう罪とは違います。人間の本当の素晴らしい本体を包んでしまうようなものということです。これは「つみ」=「包(む)身」、身を包んで、神さまのお姿を包んで隠してしまうものということなんですね。「けがれ」というのも、汚いという意味とは違います。神さまからいただいたエネルギー「気」を枯らしてしまうものという意味が、「けがれ」=「気枯れ」です。人間の素晴らしい神さまからいただいた身を包んでしまうもの、尊い神さまの気を枯らしてしまうようなものを身につけていると、病気になったり不幸になったりするわけです。それを水の力によって祓う。これが神道の儀式で「祓い」ということです。水にはそれだけのすごい力があるのです。(葉室頼昭『〈神道〉のこころ』)
*葉室さんは現在、春日大社宮司

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