大安

 

・黒黒と幹太くして桜かな

今日は大安です。
大安とは、
万事において事をなすのによいとされる日。
大安吉日。
以前わたしが勤めていた東京の出版社では、
本の奥付に記載する刊行日を
大安の日付にするのが慣例でした。
そのことを教えられていたはずなのに、
忘れたのか、
軽くみていたのか、
大安の日でない日にちのまま、
版下を印刷所に渡したことがありました。
出来上がってきた本を開いて見た社長が
奥付のページを凝視すること二、三秒、
やがてこっぴどく叱られ、
やり直しを命じられました。
大安の文字を目にすると、
それをなつかしく思い出します。
春風社では、
他の社員には指示していませんので分かりませんが、
わたし自身は、
気分によって、
大安にしたりしなかったり。
大安にしなかったから本が売れなかったり、
誤植の多い本が出来てしまった、
などということは今のところないようです。
今は基本的に、
大安仏滅関係なく
本が売れない時代です。

・道道の畠途切れて桜かな  野衾