・きのふ七分けふ満開の桜かな

週に一度、
気が向いたら二度、三度、
秋田の実家へ電話します。
用のあるときもあれば、
用のないときもあります。
用のないときのほうが多いかもしれません。
きのうは、
とくに用はなかったのですが、
夕刻、
保土ヶ谷駅から御殿山へ歩く道道
電話をかけました。
とっくに夕飯を終えた母は寝床で電話に出、
父は風呂に入っていました。
「いっちに、まま食たてがは? はえな!」
「あや。よごなて、テレビ見でだもの」
母の声は、
しめっておらず、
ということは、
腰の痛みはそれほどひどくないのかと思いました。
声の質を聴くために電話をします。
だから、とくに用はなくていいのです。
めりはりや声の弾み具合を聴くと、
医者でなくてもおおよその体調は分かります。
母も、
わたしの声をそういう風に聴くのでしょう。

・薄曇りそこここ煙る桜かな  野衾