他者と自己の理解のために

 

・懐かしき人を夢見て呆けたり

二年半かけて編集した
『異文化コミュニケーション事典』が、
ようやく完成しました。
項目数727、執筆者155名、650ページの、
異文化コミュニケーションに関する
日本初の本格的な総合事典です。
世はまさに、
異文化との接触に明け暮れています。
家庭の中から国際社会まで、
理解が成り立たないことの背景に、
文化のズレが厳然として存在することに気づかされます。
ためしに思いつくまま項目を拾い眺めてみました。
「あいづち backchannel」
日本人は、
人の話を聞くときにあいづちを打ちますが、
この言葉の説明から入り、
日本人とアメリカ人では、
話を聞く際のあいづちの頻度が異なり、
その度が過ぎると、
思わぬ誤解を生じることが実例をもって記されています。
コミュニケーションについて本気で困っているのは、
大人だけではないはずです。
子どもから大人まで、
他者を理解し、
それを通じて自己を深くとらえ、
よりよいコミュニケーションを成り立たせるために、
一家に一冊、
大辞林の横に置いてはいかがですか。

・眼が覚めて金も仕事も忘れけり  野衾