2011/10/272011/10/27 水母 闇よりの頭巾の使者が駆け抜ける 宿の二階から見える川を 水母が流れていった 川に水母は妙だけれど 水母が流れていった おおきな水母が隙間なく どんどん どんどん 流れていく 部屋の横にしつらえた水路にも 水母 友人がなげいてみせて ひょいと一匹つまみあげた いやいやをするように 透き通ったからだを震わせ あかく嗤って こときれた ケータイの音は 鳴り止まぬ 夕間暮れおいでおいでの薄かな Share