mari mari

 

 足場組み歯列矯正に似ているね

大嶋拓氏の『龍の星霜 異端の劇作家 青江舜二郎』が、
秋田のフリー・ペーパー「mari mari(マリ・マリ)」紙上で
紹介されました。
星霜は、
幾星霜(いくせいそう)の熟語で使われることが多いですが、
星も霜もとしつき、時の流れを表します。
星がとしつきを表すというのは、なんとなく分かります。
霜はなぜそうなのか。
角川漢和中辞典によれば、
「霜の季節は一年に一度なので年月を経る意味に用いる。」
青江舜二郎は明治三十七年、辰年生まれ、すなわち龍。
タイトルは、謎解きのようでもあり、
異端の劇作家の波乱に満ちた人生を示唆してくれています。
垂れ込めた暗雲の中から龍が現れ出そうな雰囲気を、
装丁家の毛利一枝氏がよく表現してくださいました。
一昨日、
青江のご長男である大嶋氏と氏のお母様にお目にかかり、
すっかりご馳走になりました。
楽しかった! 美味しかった!
お母様は、
毛利氏の装丁がたいそうお気に召したらしく、
わたしも満足しました。
話が尽きず、
三時間半がアッという間でしたが、
ときどき、フッ、フッと、
青江先生がその場にいらっしゃるような、
不思議な感覚にとらわれました。
南方熊楠『十二支考』の中に、
「孔子ほどの聖人さえ、竜を知りがたきものとしたんだ」とあります。
知りがたき竜の年に生れた青江先生の人生が、
大嶋氏の達意の文章によって解き明かされていきます。
ぜひ手にとって読んでいただきたいと思います。

 家の中俄かに緑増えにけり

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