昼寝

 

 解凍のごとき体を炎暑かな

こんなに暑い日が続くと、
九十八で逝った祖父の姿を思い出します。
思い出の祖父は、
ステテコに半袖の下着を身に着けています。
玄関横の、洋間とも呼べないような板の間の
ソファーベッドに横になり、
うちわ片手にパタパタパタと。
大柄の人でしたから、
膝を曲げ、片足にもう一方の足をかけ、
止まる蝿を、
ときどきうちわで追い払ったりしています。
そうこうしているうちに、
どうも眠ってしまうようなのです。
ようなのです、というのは、
洋間とも呼べないような板の間の
ソファーベッドに横になった祖父を見ながら、
夏休みをむさぼるわたしはこっちの部屋にいて、
安心していつも眠ってしまうからです。

 暑き日は暑きが一番!負け惜しみ

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