山菜料理

 

 分け入りてアイコいただく祖母の山

子どものときは、
山菜料理を食べても、不味くはありませんでしたが、
とくに美味いとも思いませんでした。
亡くなった祖母が「山菜の先生」と呼ばれていて、
乞われると、いっしょに山に連れて行くほど、
山をよく知っていましたから、
家族で食べるだけでなく、
隣町で市の立つ日には売りに出すぐらい
採ってきたものです。
よく食べましたから、あたりまえになって、
ありがたみが分からなかったのでしょう。
いろんなものを食べてきて、
いま山菜をいただくと、単純に、
なんて美味いんだろうと思わずにはいられません。
サッと茹で、醤油かポン酢かマヨネーズをかけるだけで、
これぞ料亭の味! といっても大げさでない、
それぐらい美味い。
山菜の美味しさを知るために、
他のものを食す必要もあったのでしょう。
東北地方で広く採れるアイコは、
わたしの地元ではアイノコと称することが多いのですが、
正式名称は、ミヤマイラクサというのだそうです。
刺草と書いて、イラクサ。
字のとおり、手袋をしてないと、
チクチクと痛くて敵いません。
なのに、熱を通すとチクチクが消え、
食べると、ほんのり苦味もあり、
なんとも言えず美味しい。山の味です。
アイコ、アイノコの名前には、
土地の人の気持ちが表されているように思います。

 宅配便山のかほりのアイコかな

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