コンクリートの割れ目から
わたしの住んでいるところは山の上にあり、会社も紅葉ヶ丘の高台にありますから、
ゆるい坂道を歩くか、
ショートカットして階段を上り下りするしかありません。
だいたい階段を上り下りします。
このごろようやくぽかぽかとあたたかくなりまして、
あ、こんなところに桜の木、あそこにも。
そうなると、
一歩一歩がたしかになるようで、
たのしくもあり。
ふと見ると、コンクリートの割れ目から小さな緑が萌えでています。
しゃがんでさらに見てみると、
小さな小さな白い花をつけています。3ミリ、
3ミリもないぐらいのものもあり、
なんという名の花だろう。
見れば、ちょっとした割れ目から、いくつもいくつも。
桜木町駅から歩くと、
会社へ行く途中に小学校がありますが、
その横の階段の割れ目からも同じ緑と白い花が萌えでていました。
気になりパソコンを立ち上げ画像検索。
「コンクリートの割れ目 小さい花 3ミリ」
ヒナキキョウソウ、アリッサム、ヒメヒオウギ、…
いくつかヒットしますが、
わたしが見たものとちょっとちがっている気もします。
こういうとき、いつも思うことながら、
ま、いっか。名前を知らなくても
ちゃんとそこに根を張り花を咲かせていることは事実なんだから…
エリナー・ファージョンさんの『ムギと王さま』
に「名のない花」というのがあった
のを思い出します。
・あてどなく野を行く果ての春愁ひ 野衾

