節目

 春暮るる日がな文字見て失語せり
第85回京都フォーラムで新井奥邃が取り上げられ、
(京都フォーラムですが、シンポジウムが行われたのは新宿)
わたしも声を掛けられ、発題させていただきました。
討論で話し合われた内容がテープ起こしされ、
事務局から送られてきたので、
ひと月ほど掛けて自分の箇所を校正しました。
今秋、東大出版会から刊行されます。
字面だけの校正なら、
詰めてやれば一日もあれば十分だったでしょう。
それをひと月も掛けてやるというのは、
(しかも自分で話したことを)
いかにもサボっているようにも思えますが、
けして言い訳でなく、
ことばを直すことでからだがととのってくるのを
からだに聴いて待ちます。
ひとつの言葉を思いついて記すと、
からだがイヤイヤをします。
しばらく時間が過ぎ、別のことばが浮かび、
ん! と閃き、それを記します。
すると今度は、からだがたのしそうに弾んでいます。
OKをもらったようで、こっちまで
(からだも自分なのに変ですね)
たのしくなります。
そんな探りかたで、愉しみながら
この10年をまとめた本を出します。
タイトルは、
『本は死ねない おとぼけ社長10年史』
四六判300ページ、予価1260円(税込)
今年9月、刊行予定です。
 雨止まぬ日を清々と青田かな

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