知多半島

 

・ブレス切れ転がり帰る春の海

十年にはなりませんが、
それにほどちかく、
知多半島に宿をとったことがありました。
病を得て、
七転八倒の末、
ようやく快方へ向かうか
と思われた時期で、
わたしは家人とふたり、
朝の爽快な気を吸うべく、
浜辺に下りゆっくり気功を始めたのでした。
と、
ぷちっと音がし、
目を開けると、
スギライトのブレスレットの糸が切れ、
紫色の石が砂浜に散らばりました。
白い砂の上に紫の小さな石たち。
拾おうとすれば
拾えたのですが、
ぱあっと散った紫色の石たちを見ているうちに、
そうか帰りたいのか、
と思われ、
海の水に引かれていくままにしました。
ときどき思い出します。

・三々五々公民館の春うらら  野衾

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三浦衛(みうら・まもる) 春風社代表にして自慢大王&悪ノリ大王。体調のいいときは自らを天才と称し、不調の折はちりあくたにも劣るヤツとしょんぼり。

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三浦衛の本


『カメレオン』
 三人ときどき声にならぬ声を洩らし/とろけ とろけ 唾までとばし/クヂるとナメるとネヂるとチョす…(「鳶」) 自在に色を変え、不意に突き刺さる、軽妙なことばの戯れ。秋田方言満載の詩集。本文は金属活字による活版印刷。


『マハーヴァギナまたは巫山の夢』
 三平佐世夫は、千一夜の夢うつつで女と戯れ、印度に旅し、睾丸を抜かれ、鰐を飼い、横浜を彷徨う。言語の崖っぷちを綱渡りする、めくるめく冒険。本文活版印刷に美麗造本を施した平成の大奇書。


『父のふるさと』
 父の目に映じた故郷の風土、ひと、くらし、農事を、愛惜をこめ描きだす。本文は金属活字による活版印刷。「身と蓋函」に納める。


『出版は風まかせ』
 横浜の出版社「春風社」社長が本づくりと会社経営にまつわるエピソードを豊富におりまぜ、創業から10年を振り返る。