ホールデン・コールフィールド

 

・春の雨やさしいはずが裏切られ

世に青春の書とよばれる書物がありますが、
J・D・サリンジャーの
『ライ麦畑でつかまえて』など、
その最たるものかもしれません。
若いときに一度読んだきりですが、
記憶を確かめたいこともあり、
再読すべく、
古書で
白水社から出ている新書版のを求めたところ、
2008年8月の段階で、
なんと108刷。
驚くべきロングセラー。
村上春樹の訳による、
キャッチャー・イン・ザ・ライ
のタイトルのも出ましたが、
むかしを懐かしむ気持ちもあって、
野崎孝の訳のにしました。
読み返して感じるのは、
主人公ホールデン・コールフィールドの
繊細さ、生意気さ、痛々しさ。
まだしばらく
青春のアイコンであり続けるでしょう。

・なりふりを構わず養生春近し  野衾