牛乳

 

・擬態とや灰色の蛾がドアの下

牛乳は子牛が飲むものと決めているので、
自分で買って飲むことはありませんが、
自作アイスコーヒーに
入れてみようかと、
何十年ぶりかで牛乳を買いました。
デカいパックを買いまして、
アイスコーヒーに入れても残りましたから、
牛乳単独でグラスに入れ
久しぶりに飲んでみました。
お、
美味しい!
何十年もナマズにいた
いや
飲まずにいたあいだに、
こんなに美味しくなっていたとは。
いやはや。
わたくし、
思い込みの激しい人間でありまして、
思い込んだとなると、
続けるものは死ぬまで続け、
やめるとなったら
だれが何と言おうと断固やめる性分が災いし、
知らぬ間に
進化発展を遂げているものが
他にあるやもしれません。
なんかないか。
なんか。
と。
ん!?
くさや。
くさやはどうだ。
あれだけは絶対食えない
と決めてから、
これまた二十年以上たちますが、
ひょっとしたら
ひょっとして…。

・香水の香や二の腕の近かりし  野衾