多機能トイレ

 

・夏の日のすることもなし仮寝かな

先週土曜日は鍼灸の日。
横浜駅で電車を乗り換え、東横線の元住吉駅下車。
上りエスカレーターで改札口へ。
そのまえにトイレへ。
わたしの行動はだいたいが習慣化しています。
ふと見れば、
多機能トイレのランプが消えており、
使用可能な状態を告げています。
時間に少し余裕がありましたから、
なかが広い多機能トイレでゆっくり用を足してから
と思い、
ランプの上のセンサーへ掌をかざします。
スーと、
静かにドアが開いていきました。
ら、
あっ!
あっっ!!
帽子をかぶった中年の男性がパンツを下し、
便器にまたがっています。
(注:いまはズボンのことをパンツと言い、従来のパンツもパンツで
紛らわしいわけですが、便器の男性はズボンもパンツも
いっしょに下していましたから、「パンツ」だけで話が済みます)
わたしも驚きましたが、
便器の彼はもっと驚いたでしょう。
およよよよ~~~~
みたいな、
変な声を発し、
ズボンを、
いやパンツを下したままの状態で、
ドアを閉めるべく立ち上がってきました。
それより一瞬速く、
「スミマセン!!」
大声であやまり、
急いで外のセンサーに掌をかざしました。
何事もなかったごとく、
ドアはスーと閉まりました。
その後わたしは、
ふつうの男子トイレで用を足し、
それから改札を抜けて外へ。
ほどなく鍼灸院へ到着。
指示されたベッドに横になってからも、
あの男性、
ズボンとパンツに
ウンコが着いてしまったのではないか
と、
そのことが頭を離れません。
運が付いたか?
冗談を言っている場合ではありません。
にしても、
使用中であるにもかかわらず、
どうしてあのランプが消えていたのかが不思議です。

・傘差さず雨のなか来る鯲売り  野衾