歩きスマホ

 

・一杯のビールのために今日がある

若い人が歩きスマホをやっているのを見ると、
危ないなあ
と思う半面、
ちょっとうらやましい気もします。
なぜならば、
わたしは
歩きスマホを、
したくてもできないからです。
たとえば、
天気を知りたくて歩きながらスマホを見ると、
ほどなく
画面がフワ~と暗くなり、
「歩きスマホはやめましょう!」
いいじゃん、
ちょっとだけなんだから。
と思うのですが、
必ず出ます。
「歩きスマホはやめましょう!」
一計を案じ、
そろ~りそろ~りそろ~り。
「歩きスマホはやめましょう!」
ダメか。
ならば。
機械に気づかれぬよう、
そろり、そそろり、そろり、そ、
「歩きスマホはやめましょう!」
バレたか。
ダメだ。
どうやっても歩いていることがバレてしまいます。
立ち止まらざるを得ません。
ん!?
待てよ。
走ったらどうだろう。
走りスマホ!
歩きスマホでなく…。
ダメか。
よけいに危ない!
そもそも、
走りながらスマホの画面見れないじゃん。

・けふもまた喉の音佳しビール干す  野衾