風林

 

・風林に鶯鳴けり旅の床

風林といえば、
すぐに思い出すのは信玄の風林火山で、
はやきこと風の如く、
しずかなること林の如く
の風・林ですが、
杜甫の詩に出てくる風林は、
それとは別であることを
吉川幸次郎の本を読んでいて知りました。
杜甫が風林というときは、
風がらみの林、
風をはらむ林
というわけで、
景がぐっと切迫してきます。
風がらみの池、淵だと風潭、
これも杜甫独特の用法のようです。

・一日の苦労一日春の宵  野衾