「弟」という字

 

・雲祓い青き明るき良夜かな

大崎章監督の映画『お盆の弟』について、
きのう書きましたが、
映画とはまったく関係ありませんが、
きょうは
「弟」という字のことです。
これは象形文字で、
なめし皮の紐でモノを束ねた形なんだそうで、
モノを結び合わせる意であり、
のちに
兄弟の意に用いるようになった

白川さんの『字通』にあります。
が、
この字をジッと、
ジーッと、
ジーーーーーッと
見ておりますと、
二本の長い触角様のアンテナ
をつけたヒトが、
右足を斜めにひょいと出し立っている
姿が髣髴としてきます。
『お盆の弟』のポスターでは、
二人がまっすぐこちらを見ていますが、
弟役の渋川清彦が
右足を少し斜めに出していたら、
立ち姿がすでに弟を表現していて
笑えたろうに、
なんて。

・江ノ島や顔拭く先に秋の風  野衾