老眼

 

・本を閉づ図書館横のつつじかな

老眼がすすんでおります。
本を読んでいても、
よく読みまちがえ、
ハッとし、
本に顔を近づけよく見れば、
あらま、
そういう字であったかと、
合点がゆくことしばしばで。
さて、
躑躅であります。
読むのも書くのも難しい躑躅。
つつじ、
です。
「躑」も「躅」も、
立ち止まる、
とか、
行きつ戻りつ、
などの意味があるようですが、
日本人は昔からつつじが好きで、
好きだとなると、
ついつい立ち止まって眼が行くのは、
古来つつじも美女も
おんなじでしょうから、
「ひとを立ち止まらせるほど美しい花」
として「躑躅」
の字を充てたんじゃないか、
というのはぼくの勝手な想像です。
それはともかく、
「躑躅」
これなんだか、
「髑髏」と似ている。
字の角角っとした感じとか、
黒の混み具合だとか。
こっちは、
美しいどころか、
怖いこわ~い「どくろ」です。
というわけで、
下の句と相成りました。

橋本照嵩『石巻かほく』紙上写真展
の十一回目が掲載されました。
コチラです。

・躑躅見て老眼なれば髑髏かと  野衾