平凡社の東洋文庫に入っている『アラビアン・ナイト』をようやく読み終えました。
アラビア語原典からの日本語訳で、
1~12巻は前嶋信次さん、13~18巻は池田修さん。
ほかに、
「アラーッ・ディーンと魔法のランプの物語」
「アリ・ババと四十人の盗賊の物語」
の入った別巻があり、
ただいまこれを読み始めたところ。
本巻18冊を読み終え、
詠み終えるまでに長くかかったこともあり、
感慨一入。
取り上げられている物語の荒唐無稽さ、
おもしろさが格別なのはもちろんですが、
いちばんに感じたのは、
ひとの心の頑なさ、相手の話を聴き、じぶんの考えを変えることの難しさ、
そのことに尽きます。
極悪非道なシャフリヤール王が知恵者シェヘラザードから毎夜、
この世の珍しい物語をつぎつぎ聴いているうちに、
だんだんとこころがほぐれ、
荒んだこころを入れ替え、
シェヘラザードを殺めるのを自らに禁じたことが、
最後の最後になって分かります。
ひとの話を聴いて理解することは、相手を受け入れることですから、
勇気が必要なのでしょう。
ひとを受け入れないことがあまりに多い世の中で、
ひとを受け入れる勇気を持つこと、
ひょっとしたら、
それだけが希望の灯かもしれない
と、
長尺の物語を読み終えて感じた次第です。
・秋の雲恋のこころの夢見かな 野衾

