知りませんでした。
弊社で出した野崎歓さんの『アンドレ・バザン 映画を信じた男』
を読んでいたら、
男鹿和雄さんという方のことがでてきました。
どういう人なんだろうと調べてみると、
秋田県仙北郡太田町の生まれ
とのこと、
そうなのか!
ちょっと驚きました。
さっそく男鹿さんの画集を買って開いて見、
さらに驚き、合点がいきました。
朝もやに浮かぶ山並みの具合、光が薄く射してきらめく得も言われぬ風合いなど、
わたしのふるさと井川町と共通のものを感じ、
たとえば、
腰を曲げ曲げ畑仕事に勤しんでいた金兵衛の婆さんを思い出したり、
宮崎アニメに惹かれる理由が分かった気がします。
宮崎アニメにおいて、背景はもはや、
アクションが継起する場所を示すだけのものではなくなっている。
それは物語の宇宙の有機的な一部をなし、
生命の息吹きを湛えてきらめく。
その点で、
『となりのトトロ』(1988年)以来、
宮崎作品の美術監督を務める男鹿和雄の仕事は特筆に値する。
漂う空気まで表現するとされる男鹿の画力は
とりわけ緑の自然、
草木のゆらぎや輝きをとらえるときにただならぬ豊かさを現出する。
しかもそれは単に〝絵”として見事なだけではなく、
つねにアクションと連動した環境として構築されている。
(野崎歓[著]『アンドレ・バザン 映画を信じた男』春風社、2015年、p.201)
・秋の雲脳とこころの螺旋かな 野衾

