同級会

 幼馴染数名がそれぞれ秘密を持ち寄り集まった。愉快で人に話したくてうずうずするような蜜の味、あまり愉快でないほろ苦い渋茶、何でも溶かすぎりぎり酸っぱい黄色の液体。秘密の味はいろいろ。わたしはどんな秘密を持って参加したろうか。自分が一番よく知っているつもりでも、他人が見たらまた別。秘密がそれぞれの顔を作っている。
 カラオケを歌ったり昔話に興じても、住み込みの秘密がふっと顔を覗かせ、主人を放さない。俄かチークダンスを踊ったって、秘密同士が互いの顔を見て微笑むばかり。事態は好転の兆し無し。
 12時を過ぎ、シンデレラでもあるまいにそれぞれ寝屋に帰っていった。
 また来年。うん、また来年。笑ったのは誰?