読経と読書
…それで、私なりにやっているうちに、何だ、お経というのは意味がわかって読んでもよし、わからないで読んでもよし、ということがよくわかったわけです。
わかって読んでもいいが、できるならばわからんままに、ただ声を出して読むことが最高だと会得したのです。それ以後はお経の意味を尋ねる気がしないのです。腹の底から声を出してただ読むこと。それが読経という行です。
意味を考えるなら、このまま寝っ転がって読んでもいいんですよ(笑)。
(『大峯千日回峰行』対談中、聞き手の板橋興宗禅師のことば)