パン

 高校生の頃、昼に弁当だけでは足りず、パンを食べた。昼時になるとパン屋さんが学校に来て販売していた。弁当+パンで腹は満たされそうなものだが、パンというのは、わたしにとって当時どうもお菓子みたいなもので、それで昼食がおしまいになるというのはなんとも心もとなかった。それで、さらに学食に行きラーメンを食べた。満腹になった。
 ところが最近わたしはよく、というほどではないけれど昼食をパンで済ますことがある。前後に弁当もラーメンも食べない。十代の頃の食欲と今を比べるのはおかしいが、食欲だけでなく、パンの種類が当時と比べ圧倒的に豊富になり、米飯で育ったわたしでも十分満足できるパンが今はある。とはいっても、週に1回程度だが。