妄想

 あこがれは数学。たとえば競馬。実際わたしは競馬をやったことがないから、もちろん妄想の域を出ないが、どの馬が一着でゴールするかを数学を用いて解けたら格好いいだろうなあと思った。その日出場する馬についてはもちろん、天候、土壌の具合、騎手の身長、体重、性格やら何やらをすべて事前に入力しておいて、アインシュタインみたいな天才的な頭脳でもって着順を割り出す。そんなことができたらなあと、けっこう真剣に考えていた。いまどきのコンピュータなら、それに近いところまでいけるんじゃないかしら。競馬は一つの例に過ぎないけれど、コンピュータでいろいろな問題を解こうとしている時代が今だとして、そうなると、ますますその間隙のところの言葉が重要になってくるような気もする。コンピュータで解けない問題を言葉がすくいあげる。
 でも、平行線は無限延で交わるなんてのは、数学よりも詩の言葉みたいだから、分けて考えるのは無謀かな。