完結間近!

 今日の「よもやま」のタイトルを入力する際、間違えて「ぢ」を「じ」でキーボードを打ったら、「完結マジか」と変換され、あわてて訂正入力。でも、まあ、六年越しの『新井奥邃著作集』マジで完結するのかと思ったこともあったから、「完結マジか」というのも、あながち間違ったタイトルとも言えない。
 さて、昨日からコール先生が来社し、最終第10巻である別巻の編集作業に取り掛かってくれている。新井奥邃と当時の年表、奥邃の文章と聖書の文章との対照表、キーワード索引など盛りだくさんの内容だ。
 六年前『著作集』に取りかかった頃、奥邃の名前を知っている人は一体どれだけいただろう。それが今や、新井奥邃の名前がいろいろな場面で散見されるようになった。昨年九月には「田中正造と新井奥邃を考えるシンポジウム」が東京で開催された。東京大学の先生たちが中心になって進めている「公共哲学」のプロジェクトから声を掛けられ、コール先生がパネリストの一人として奥邃について語り、それが東大出版会から刊行された本に収録された。詩人の飯島耕一さんが奥邃に注目し、「江戸と西洋」のタイトルで書かれた論考のなかで奥邃を大きくとりあげてくださり、それが『漱石の<明>、漱石の<暗>』(みすず書房)の冒頭に入れられた。今回、別巻の月報にも原稿を寄せてくださった。工藤、コール両先生の苦労の賜物だが、思い返せばありがたいことばかり。
 ということで、完結間近はマジです。今しばらくお待ちくださいませ。