「今」をわたす名刺
好きな国語辞書『大辞林』で「名刺」をひくと、「小形の紙に、氏名・住所・職業・身分などを記したもの。普通、初対面の相手に渡す」とある。
あるとき、多聞君と話していて、名刺の概念を変えるような名刺を作ろうかということになった。聞けば、多聞君、子どもの頃からカードが好きでいろいろ作ってきたのだという。多聞君自身の名刺を見れば、どういう感じかつかめるだろう。
これを見て閃いた。『大辞林』の説明を待つまでもなく、名刺は、日本的な風習として受け継がれ、いろいろ批判もあるようだが、現在もなくなってはいない。これを逆手にとって、面白おかしく展開してみてはどうだろう。つまり、個人でも組織でも、外の肩書きよりも、今の自分の方針、内面、肩書きとは違う外面、要するに、おれの「今」、わたしの「今」、会社の「今」、お店の「今」を一枚の名刺に集約し表現する。印刷はスクリーン印刷。詳細はともかく(笑)、これが凸凹していていい感じなんだ。日本でやれば相当高価なものにつくらしいが、インドでは割りとリーズナブルに作れる。ということで、今回、サンプル的にわたしの名刺を作ってもらった。下図参照。
こんな風に考えている。まずわたしが、AさんならAさんから、どんな「今」をお持ちか尋ねる。要するに、コンセプトですね。これを多聞君に伝え、一枚の名刺(オモテ・ウラ)をデザインしてもらう。Aさんにお見せし、お、すげー!! となったらインドで(!)印刷する。枚数は、そうね、500枚ぐらいが目安でしょうか。料金はデザイン料+印刷費+運送費ってとこでしょうか。少々割高でも、名刺自体から話題が拡がるような、もらった人が嬉しくなるような、そんな名刺になればいんじゃないか。
業として動き出せば料金体系など作る必要も出てくるでしょうが、とりあえず、口コミでいくつかやってみようかと考えてるところ。
深瀬さん、あなたの「今」は、「あなたの今」です。だから、彼の今とも彼女の今とも交換不能だ。「今」を「時間」と置き換えてもいい。
そう、君はどんな「時間」を生きているのか、そういう事だ。
おはようございます。
いいですね、それ。
いまから、僕がどんな「今」を持っているか、考えておきます。
いいですね、そういう名刺。馴染みのバーの女の子が店の名刺とは別の可愛いデザインの名刺を配っていて、もらった側は特別な感じがして印象に残ります。自分も持ちたいけれど、気になるのは値段。
はじめまして。
仕事柄名刺を配ることが多いのですが、会社の名刺を見るたび、「つまらないなー」と思っていました。だからこんなコンセプトの名刺がつくれたらうれしいです。
ところで、スクリーン印刷ってなんですか?名刺に凹凸があるということですけど、手で触ってもわかるくらいはっきりしているの?
>ふぇずさん
日本で手刷りのスクリーン・プリントというと、機械刷りのものに比べて、何倍もする高価なプリントなのですが、人件費の安いインドではその逆で、すごい安い。だから、名刺の制作料は、印刷費を抑えて、デザイン料と郵送費がほとんどです。
>トモコさん
スクリーン印刷っていうのは、シルクや化学繊維でできたスクリーンを版にして刷る、手刷りの印刷技術です。紙にインクがのるかんじなので、文字を触ると、インクのところだけ凸っとしています。(ほのかにインクのいい匂いもします)
モニターだと感触までは伝えられないので、うまく説明できないけれど、機械刷りのものに比べたら、質感の高級感が雲泥の差です。
きれいな名刺ですね。
これはどんな道具で手刷りされてるんですか?スクリーン枠は木枠なのかな〜?1回ずつ版がずれないように、目盛りに合わせて紙を置いて刷っていたりするのかな〜やっぱり?と、現場を想像するだけでも楽しいですね。
スクリーン印刷も手触りがステキですが、活版印刷の文字の部分ががしっと凹んでるようなのも、好みです。