探し物

 この欄で紹介した「黒糖梅飴」を、イシバシの友人が都内某所で見つけ、写真貼付の上、メールを送ってくださった。なんだか、こっちまでうれしくなった。
 仙台で学生をしていた頃、欲しい本があると、まず大学生協へ行って探す。ないとなれば、バイクで仙台市内の書店、古書店を隈なく探す。そうして手に取った本は、中身よりも何よりも、頬ずりしたくなるような大切なものになった。結局どこにもなく、元に戻って、生協で注文することもしばしばだった。
 子供の頃、弟とよく遊んだ。キャッチボールをしていて、とんでもない方向へボールを投げ、水を張った春の田に飛んでいってしまい、ズボンの裾をまくってボールを捜した。見つかることもあったが、見つからないこともあり、よく喧嘩した。
 弟とやる遊びで卓球があった。卓球は、読んで字のごとく「卓」の「球」だが、家には「卓」がなかった。ラケットはあった。コンクリートの庭に炭で線を引き、それを卓球台に見たててピンポン玉を弾く。ピンポン玉を使ったテニスみたいなもの。コンクリートの庭だから、ピンポン玉はよくつぶれた。急に卓球をしたくなった時に限って買い置きのピンポン玉がなく、売っている店は分かっているのだが、運悪く自転車がパンクしていた。歩いて買いに行ったら往復で二時間はかかる。パンクした自転車をゴトゴト言わせてピンポン玉を買いに行った…。
 ベランダに雀が来た。今日はポカポカ陽気。春はそこまで来ている。