いちばん凄いところ
SmaSTATION-5というテレビ番組で黒澤明特集をやっていた。なにっ、黒澤特集だ!? 黒澤映画好きのわたしとしては見過ごすわけにはいかぬ。スマップの香取慎吾が進行役を務めるアレだ。ゲストは爆笑問題の太田光。
番組は、まぁ予想通りの進行で、世界の黒澤がいかに凄いかを伝えるために、今をときめくスティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、フランシス・F・コッポラ、マーティン・スコセッシなどハリウッドを代表する映画監督や、クリントイーストウッドら世界的俳優人が、その影響の大きさを公言し、リスペクトしてやまない、どうだスゲェ〜だろう! みたいなことだった。すると太田が、「黒澤明に比べたら、スピルバーグもルーカスもコッポラも雑魚だよ雑魚。なんで黒澤の凄さを言うのにスピルバーグやルーカスやコッポラを引き合いに出すのさ。桁が違うっつうの」と言った。我が意を得たり! やんややんや! やっほー!! だ。そう言ったときの太田さん、目がキラキラして。わたしは「そうだ。その通り!」と、テレビの太田さんに向かって喝采を送っていた。太田さん、さらにこうも言った。「黒澤さんはもちろん天才ですよ。でも、黒澤さんのいちばん凄いところは、自分の限界をちゃんと知っているということですよ。黒澤さんは脚本がすべて、脚本を大事にする人なんですが、自分ひとりで作ったのももちろんあるけれど、ほかの脚本家と共同で作ったものが多い。そして、そういうものが映画として面白い。…」これもなるほどな意見。
このあいだ、NHKの「私のこだわり人物伝」で、脚本家の向田邦子さんを紹介していたのが太田さんで、見るともなしに、つい見てしまった。太田さんて、面白いなぁとその時も思ったが、今回、好きな黒澤明についての意見を聞き、ますますその感を強くした。
はじめまして。友人にこのHPを教えてもらって以来、時々まとめて読んでいます。
私もNHK「私のこだわり人物伝」の向田邦子さんの回を興味深く見てました。いままで自分の中にあった「爆笑問題の太田」という一般的なイメージがひっくり返って、もっとこの人のこういう面を見てみたいな、と思っていたところでした(とはいえ、しばらくたってしまいましたが…)。
それにしても三浦さんの文章はいいなぁ。かなり僭越ながら、うまい!と呻って読んでます。このよもやま日記を読むと、太田ばかりか黒澤明にもますます興味が出てきますね。
これからも楽しみにしています。
>海さんへ
コメントありがとうございます。読んでくださっている由、多謝!
先日DVDで「七人の侍」を見なおしたばっかりでしたので、余計に我が意を得たりの感を強くしたのだと思います。
野武士が放った火矢が農家に燃え移り、赤子を抱いてよろよろと出てきた女から赤子を抱き取った三船敏郎の「これはおれだーっ! おれもこうだんだーっ!」と叫ぶ演技に感じ入り、ジワ〜ンと涙ぐんじゃりもしていたものですから…。