神の烏賊

 ええ、社員旅行で函館に行ってまいりました。食った! 見た! 漕いだ!
 まず「食った」のは、函館であるからにして、新鮮な魚介をたらふく食った。
 ウニ、イカ、タラバ蟹、ホタテ、ホッキ、甘エビ、イクラ等々。中でも、朝獲れたてのイカは、テレビで見る度に、ぜひ一度食べてみたいと思っていただけに、貪るようにして食った。こんなに美味いイカは初めてだ、と、店のお兄ちゃんに言ったら、獲れたてを船の上で食べるのはもっと美味いと、あっさり話の腰を折られた。透き通るだけでなく、七色に輝く。それが食べられるのは、漁師だけに与えられた特権なのだと。ラーメンは函館駅近くの「海峡」にて塩ラーメン。最初は皆で食べ、その後の自由時間を利用して、もう一度その店へ戻り、今度は研究のために同じものを所望。店のオヤジが驚いていた。おらのことを完璧ギョウカイ人と思ったみたい。お湯の切り方違ってたもん。
 次の「見た」は、わたしにしてみれば、三十二年振りの函館の夜景。既にインプットされていたせいか、あまり感動はなかった。それよりも、宝石を散りばめたような夜景の横の海が月明かりに照らされ光っていたのが印象的だった。タクシーの運転手の計らいで、新井奥邃ゆかりのハリストス教会を見れたのは予定外。大沼公園に映る駒ケ岳は淡く、優しく、なかなかのもの。
 さて「漕いだ」は、ボートでなく自転車のペダル。大沼公園に着いて、予定では遊覧船で回るはずだったのが、出発時刻のタイミングが悪かったこともあり、シャチョーであるわたしの「遊覧船に頼るような奴は嫌いだあ!」の一声で、全員貸し自転車にて大沼公園を一周。途中、小休止を入れたとはいうものの、延々二時間のコースはきつかったあ。だれだ、自転車で一周しようなんて言ったのはよう、はい、わたしです。面目ありません。普段二時間もぶっ続けに自転車に乗ることがないので、とにかくケツがしこたま痛くなりました、はい。言いだしっぺである以上、あまり苦痛を訴えられなかった。
 ということで、ハードスケジュールな充実した社員旅行であった。次回は、ぜひ船に乗り、七色に輝く神の烏賊を食してみたい。
 幹事のたがおよ、愛ちゃんよ、ありがとう。それから、たがおよ、二日酔いにはソルマックだぞ。