『川柳でんでん太鼓』6

 

川柳にかんする田辺さんの本がおもしろくて、ついつい回をかさねてきましたが、
そろそろ終りにしたいと思います。
本と旅にかんする川柳で、
これもまた、プッと笑いがこぼれ、読むほどに味わいが増すようです。

 

『番傘』 ’85・2。――ちなみに川柳関係の文章、エッセーにしろ句評にしろ、
テレビ番組に言及されている割合は、書物関係より多い気がする。
だからどうだというのではないが、本の句でおかしいのは、
〈好きな本ばかり並べてよく眠る〉(森淞鳳)

『川柳公論』10巻6号から。読みもしないのに、枕元へ、読みたい本を並べておく
だけで、よく眠れる。
〈本の栞しおり少し動かし旅終る〉(近江砂人)

これもゆったりとした詠みぶりで、大人らしいいい旅が思われる。旅といえば、

混浴と知って慌てたのが男   (林照子)

女のほうはどういうか。「えーやんか」「どーッちゅうこと、ない」
「しゃーないやないの」「はよ、入ろけー」「おもちろ」
(田辺聖子『川柳でんでん太鼓』講談社、1985年、p.317)

 

・始まりが喜びの極夏休み  野衾