日がな一日

 骨が折れたので、また、医者も安静が第一というから、日がな一日飽かず外を眺めたり、右手で持てるぐらいの重さの文庫本をひらいて読んだり、二、三曲聴いて放っておいたCDを改めて聴いたりと、それなりに時間をつぶしている。
 左腕がつかえぬため、おのずと右腕、特に指先に神経が集中するのか、このまま行けば、やがて右手指先で天気予報も可能、本物の関サバか名前は関サバでもまがい物かを指先一つで感じ分けられるようになるのではないかと思えるぐらいのものだ。左腕は利かなくとも右手の指先には眼があるぞ! とでもいいたいところ。
 冗談はさておき、これぞケガの功名。片腕がつかえぬことで右手指先がどれぐらい鋭敏になりうるものか、いい機会だから試してみたい。