それはむつかしい
ナウエンさんの本を、帰宅後まいにち一ページづつ読むのを数年つづけていますので、
おなじ文章を数度目にしていることになりますが、
印象がその都度ちがって、
わがことながら、
おもしろいものだなあ、と、つくづく思います。
まったく新しい感想を持つこと間々あり。
きょう引用する箇所など、
理屈では分かるけど、
それはむつかしいなぁ、であります。
人に深く傷つけられた時、敵愾心、怒りや憎しみ、そして時には復讐心すら起こる
のを押さえるのはほとんど不可能です。
これらは往々にして、
内面から制御を受けることなく知らぬ間に生じて来ます。
自分を傷つけた人に何を言い、
何をすれば仕返し出来るだろうか、
とただ思い巡らしている自分に気づきます。
そんな時、
呪いの代わりに祝福を選ぶには、
大きな信仰の飛躍が求められます。
仕返ししてやりたい要求を自ら進んで乗り越え、
いのちを与えようとすることを選び取る心の姿勢が求められているのです。
時には、
そのようなことは不可能に思われるかもしれません。
けれども、
傷ついた自分を乗り越え、
神から与えられた自分を取り戻すたびに、
自分自身にいのちを与えるだけではなく、
自分を傷つけた人々にもいのちを与えることになるでしょう。
(ヘンリ・J・M・ナウエン[著]嶋本操[監修]河田正雄[訳]
『改訂版 今日のパン、明日の糧』聖公会出版、2015年、p.299)
・少年の夢よどこまで夏の雲 野衾

