根のあるはなし

 

哲学者・小野寺功(おのでら いさお)先生の本を、増補したものを含め、
これまで七冊、春風社から上梓しました。
そのうち二冊はことし。
今年刊行した二冊を担当したこともあり、
よく電話でお話を伺い、
いまもちょくちょく電話をしては、いろいろ面白いはなしを教えてもらっています。
先生の話を伺っていると、
何ごとによらず、
なんと言うか
(そうそう、先生は「なんと言うか」が口ぐせ)
勇気が湧いてきます。
なんでか、
と不思議な気もしますが、
どうやら、
先生の思索、それに基づくことばの一つ一つが、大地に根を張っていて、
そこから豊かに養分を吸い上げているからかな、
と。
新井奥邃(あらい おうすい)を最後まで世話した中村千代松の文章に、
新井先生ほど偉い人を見たことがない、
それは、
新井先生には根があるからだ、
というのがあり、
わたしは新井奥邃を直には知りませんので、
中村の感じ分けの微妙なところは分かりませんが、
小野寺先生の文章、話しことばに、
わたしは根を感じます。
そういうことを踏まえつつ、
思想の「根をめぐって」先生と対談、
というか、
いろいろお話を伺い、
一冊にまとめたいと考えています。

 

・冬の駅舎窓越し鳶旋回す  野衾