玄鳥

 

中国最古の詩集『詩経』に「玄鳥」という詩があり、
書き下し文では、
「天 玄鳥に命じ 降(くだ)りて商を生ましめ 殷の土の芒芒たるに宅(お)らしむ」
というふうに始まります。
この玄鳥、ツバメのことで、
中国古代の国のはじまりの象徴とされていたことが分かります。
さて、
ツバメといえば、
春風社のロゴはツバメです。
さらに。
『詩経』には風、または国風という
民謡に分類されるもの
がありますが、
『白川静著作集』の表紙には全巻、
この「風」一文字の卜字が大きく空押しされており、
(函にはさらに大きな卜字「風」の印刷)
ここにも春風社との縁を感じます。
ふたつともまったくの偶然
ではありますが、
ふかく文字とのつながりを感じ、
うれしくなりました。

 

・蟬しずか重さ無くして骸かな  野衾