監督の感得

 

好評を博している映画『浜の記憶』の監督・大嶋拓さんが、
自身のブログに拙著『鰰 hadahada』の感想を書いてくださいました。
コチラです。
大嶋さんのお父さんは劇作家の青江舜二郎。
青江は秋田出身、
わたしの高校の先輩にあたる方であり、
忘れもしない、
有隣堂横浜ルミネ店で青江の本を手に取り、
秋田生まれでこんなひとがいたのかと
そのままレジに本を持っていったことがありました。
高校の先輩にあたる方と知ったのはもっと後だったと記憶しています。
また、
わたしのふるさと井川町出身で
のちに秋田魁新報社長、秋田市長をつとめた武塙祐吉(雅号は三山)
というひとがいましたが、
青江は三山の親しい友人であったことも。
大嶋さんのブログを拝見しながら、
いろいろな想念が浮かびました。
大嶋さんは、
ふだんあまり詩を読まない、
読まずにこれまで来たと記しておられます。
そういう大嶋さんが拙著を手に取り読んでくださったうえでの感想を再読三読し、
紙に印刷された文字とディスプレイ上の文字のちがい、
ことばというものが人間に対して、
とくに身体にとって、
どういう作用をするのものであるかを、
あらためて感じ考えさせられました。
『鰰 hadahada』の帯に、
「ことば以前の詩」と入れましたが、
「詩以前のことば」といっても同じだと感じているわたしにしてみれば、
拙著にこめた願いのようなものを深く
汲んでいただいたようでうれしくありがたかったです。

 

・はるけしや山家たつきの干大根  野衾