ありがたい一日

 

編集長の岡田くんと学習院大学へ。
仏文の中条省平さんと小一時間ほど面談。
昭和の名編集者・安原顯が始めた創作学校でお会いしたのが始まり。
中条さんは先生、わたしは生徒。
以来、四半世紀、
いまもしたしくお付き合いさせていただいております。
その後、
飯田橋へ移動。
タリーズコーヒーへ入り、
コーヒーを飲みながらゲラ読み開始。
まわりを見れば、
まるで図書館のような静けさ。
ノートパソコンを広げ勉強、仕事にいそしむひと、ひと、ひと。
店はあきらかにその種の客を想定しているようで、
テーブルには椅子一脚ごとにコンセントが設置されています。
時代はこうなのだなと改めて納得。
電話がないせいか、
ゲラ読みの作業がことのほか捗りました。
七時に装丁家の間村俊一さんご指定の店へ。
こんかいの詩集『鰰 hadahada』を祝ってしばし歓談。
間村さんからサインを所望され、
しかも、
イラストを添えてくれと言われ、
「わたくしの描く絵は、三歳児にも及ぼないものですから」
と丁重にお断りするも、
そういうのがいいとおだてられ、
覚束ないながら、
じぶんの似顔絵のようなものを描きました。
また、
ずっと欲しかった間村さんの画集『ジョバンニ』に触れるや、
「あげるよ。まだ少しあるから」
と言って、つと立ち上がり、
店を出て事務所へ帰り、
『ジョバンニ』をとってきてくださいました。
いやぁ驚きました。
うれし恥ずかしありがたし!

 

・清方の女性(にょしよう)来てをり花すすき  野衾