方言のちから

 

きのう、
東京学芸大学の末松裕基先生がゼミの学部生、大学院生とともに来社され、
わたしとイシバシも参加し、
座談会を行いました。
とちゅう、
ことばについて話すこととなり、
いい機会だと思い、
ちかごろでたばっかりの拙著『鰰 hadahada』を紹介したところ、
末松先生から一篇朗読してほしいといわれ、
「カミサマノハナシ」を
秋田のことばで読み上げました。
と、
とちゅうでぐっと胸が詰まり、
なにか体の底から湧き上がってくるものがあり、
あらららら、
じぶんでビックリ。
昨年、
銀座の教文館で講演を行ったときも、
子どもの頃の思い出に秋田のことばでほんのちょっぴり触れただけで、
ぐわっと涙があふれだし驚いたことがありましたが、
それとおんなじ。
考えてみれば、
生まれる前から母親のおなかの中で
意味も分からず聞いていたことばが方言ですから、
からだもこころも一緒くたになっており、
感情が間欠泉のように噴き出してきて不思議はありません。
わたしにとっては秋田のことばがそうですが、
どのひとにとっても、
母親のおなかで聞いたことばがあり、
方言というのは、
そういうことばなのでしょう。
このごろよく聞くかつてザ・ブルーハーツ、
いまザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトさんの岡山のことばも、
なんと言ったらいいか分かりませんが、
いいなあと思います。

さて所用でこれから秋田へ行き、
一泊しますので、
明日の「よもやま日記」は休みます。

 

・伊良湖崎夜中をさして月の金  野衾