択びと並び

 

伊藤博の『萬葉集釋注』は、
歌を個々別々に解説するのではなく、
歌群としてとらえ、
なぜそういう並びになっているのかを説いている
ところに特徴があるわけですが、
そのことをとおして、
知識として知っていただけの万葉集の
いわば編集のワザが見えるようで、
具体的には大伴家持の貢献が大なようですが、
あらためて、
編集の仕事の意味を考える
いいきっかけになりました。
これからは、
万葉集の編集のワザを仕事に生かすぞ!
なんちゃって。
それぞれの歌は、
すぐれているから万葉集に採録されたわけでしょうけれど、
並びの妙とでもいったものにより
万葉集の輝きはさらに増したとも言えそうです。

 

・あいさつのひとを知らざる墓参かな  野衾