センブリ

 

よわい還暦を過ぎ、
なにごとにつけ父に似、母に似ていることを思い知らされている
きょうこの頃ですが、
胃腸の弱さはどうやら母似でありまして。
大型連休期間秋田に帰った折、
ふと思い出したことがあり
「じいさん、毎朝、センフリ飲んでながったが?」
と父に訊いたところ、
「んだんだ。毎朝飲んであったな」
との答え。
センブリのことをわが田舎ではセンフリ。
祖父は九十八まで生きましたが、
口には出さずともそれなり健康に気を付けていたのかもしれません。
というわけで、
さっそくネットで探したところ、
ありました。
その中から加工していないものをえらび注文。
届いてすぐに煮だして飲んだら、
うっ、
に、にっがあああ!!
これぞセンブリ。
センブリは漢字で書くと千振、
千度振り出してもなお苦いの意から
といいますから、
まさに名のとおり。
祖父トモじいの顔がありありと目に浮かびました。

 

・田植ゑまへ巾着のごと父の口  野衾