顔真卿

 

東京国立博物館に顔真卿の書を見に行った。
そこここで中国語が飛び交っており、
人気のほどを思い知らされた。
どこもかしこも観覧者がだんごのようになっており、
わたしは撫でるようにしか見なかったけれど、
そのためもあってか、
書の文字が、
風に象徴される万物の移ろいを
なんとか形にして表現したいという
やむにやまれぬ欲望の表れ
と感じられた。
杜甫とほぼ同時代の人物。
仏教・道教の影響もあったというから、
わたしの感覚は、
当たらずとも遠からずだったかもしれない。

 

・降る雪や汽車を待つ間の古馴染み  野衾