浪曲子守歌

 

九十八で亡くなった祖父の十八番(おはこ)は一節太郎の浪曲子守歌。
♪逃げた女房にゃ 未練はないが
♪お乳ほしがる この子が可愛い
……
酒が入り上機嫌になると、
祖父は一節太郎ばりに
だみ声で歌い出したものでした。
さてこのごろ藤圭子にはまっているわたしですが、
彼女が歌う浪曲子守歌に
不覚にも涙ぐんでしまいました。
いやぁ、すばらしい!!
両親ともに浪曲師だったといいますが、
この歌を聴いて明らかに
彼女にも浪曲師の血が流れていると思いました。
『流星ひとつ』を読み、
彼女がなぜ引退を決意したかのくだりも
涙なしには読み進められませんでした。
にしても、
どうもこのごろ涙もろい。
加齢!?

 

・山精の棲むとや冬の伊良湖崎  野衾