稲刈り

 

きのうの午後三時ごろでしたか。
家の電話が鳴りました。
秋田からだと直感。
案の定、
はずんだ父の声が聞こえてきました。
「稲刈り終ったあ」
「お疲れさまでした」
「いやぁ、つかれだな。機械さ乗ってあるぐだげだども、つかれるつかれる」
「オロナミンC飲んでらが?」
「なんとなんと、二本も三本も飲んでら」
「そうが。あど、ゆっくり休め」
「んだな。まづ、終ってよがった」
後ろから安心しきった母の声も聞こえてきます。
八十七歳の田仕事無事終了。

 

・農夫來(らい)どつと逃げ飛ぶ稲雀  野衾