「じぐ」の語源

 

秋田方言「じぐだめし(=肝だめし)」「じぐなし(=臆病者)」
の「じぐ」について、
さっそくその語源を調べてみました。
秋田県教育委員会編『秋田のことば』(無明舎出版、2000年)に、
「じぐなし」が見出し語として載っており、
その説明文が、
「「意気地なし」の第一音節が脱落し、さらに「く」と「じ」の位置が入れ替わった語」
なるほどなるほど。
スッキリ!
臆病者の意の「じぐなし」ですが、
全国分布で見ると、
青森、岩手、山形、群馬、新潟県佐渡などでは「ずくなし」、
また「怠け者」の意で「ずくなし」という土地もあり、
山形、群馬、埼玉、新潟などがそうだと。
なるほど、
やっぱり方言はおもしろい!
『秋田のことば』の「じぐなし」が載っている同じページに、
「じぐだれ」
という言葉が見出し語としてでています。
「ぐ」と「だ」のあいだに
ちいさな文字で「ん」が入っています。
(「じぐんだれ」の「ん」がとってもちいさい)
方言の表記はむずかしい!
さてこの「じぐだれ」、
意味は臆病者で「じぐなし」と同じ、
ですが、
その説明文に、
「「じくだおれ」。「じく」すなわち心棒・骨などのような中心をなすものが、
倒れて使いものにならない状態の人」とあり、
ということは、
きのうここに書いたわたしの勝手な想像、
当たらずとも遠からずだったかもしれません。

 

・エレベーター暑さ取り持つ会話かな  野衾