狩野亨吉
・煽られて群れ飛ぶ冬の烏かな
狩野亨吉といえば、
江戸時代の思想家・安藤昌益を見出した人として
つとに有名ですが、
三十四歳にして第一高等学校校長、
さらに
京都帝国大学文科大学初代学長を務めながら、
早々にケリをつけ、
その後は
「書画鑑定並びに著述業」
の看板を掲げ、
書画や刀剣の鑑定などで生計を立てた
ということになっています。
このひと
秋田県大館(おおだて)の生まれ、
安藤昌益も同地の生まれ、
ちなみにわたしも秋田県出身、
なれど我が町から大館はちと遠い。
安藤昌益も狩野亨吉も
いわゆる天才の部類でしょうが、
奇人変人ぶりも相当あったように思われます。
狩野亨吉があるとき近況を尋ねられると、
きゅうきょうであると。
?
「近況は窮境」
韻を踏んだ、
ただのダジャレかよ。
約十万冊の蔵書を東北大学に売ったものが、
現在も狩野文庫として
同大学にあります。
近況は窮境。
野の学者の代表格。
風が吹いているようで…。
きっぷのいい変なひとがわたし好き。
・ハイヒール冬をかち割る高き音 野衾