稲刈り

 

・薄青き空はおとなし虫集く

 

台風の影響から、
なかなか予断を許さないところがありましたが、
秋田のわが実家では、
この土日あたりに稲刈りを行うようです。
昨年に比べ数日の遅れ。
父八十六歳、母八十二歳、
田仕事は今年が最後となります。
農家の長男に生まれながら、
家を離れて四十年、
都会暮らしがずっと長くなりました。
が、
季節のめぐりに合わせ、
思い出すのは
ふるさとの山、川、空、
そして、
実った稲穂が風に揺れる光景です。
思い出すだけで
息が深くなる。
さしずめ水元公園の桜を思い浮かべる寅さんのようなもの。
無手勝流の俳句を始めて十年になりますが、
それだって、
ふるさとへの思慕のなせる業か
とも思います。
やはり、
ふるさとは、
遠くにあると想うよな~。

 

・公園の夜を賑はす虫の声  野衾