書名は難しい

 

・罅割れて塩噴く夏や石の段

 

かつて弊社から『面白南極料理人』を出したことがありました。
その後、
堺雅人主演の映画にもなり、
おぼえておられる方がいるかもしれません。
創業間もない弊社にとりまして、
かなり売れた部類の本でした。
取次、書店からの注文も多く、
なかには、
「めんしろなんごくりょうりにん」
「めんぱくなんごくりょうりにん」
など、
思いもしない読み方をされたり。
いまとなっては
なつかしい思い出。
このごろの例でいいますと、
『石巻片影』→「いしまきかたかげ」
『松本清張の葉脈』→「まつもとせいちょうのはみゃく」
が出色でしょうか。
漢字の読みは、
げに難しく、
注文を受け、
はてそんな本を出していたかしらと、
意表を突かれることもあります。

 

・罅割れて汗噴きだすや石の段  野衾