祝受賞!

 飯島耕一さんの『アメリカ』(思潮社)が詩歌俳句部門で第56回読売文学賞を受賞した。他に小説では松浦寿輝『半島』(文芸春秋)。評論・伝記では前田速夫『余多歩き 菊池山哉の人と学問』(晶文社)。飯島さんと同じく詩歌俳句部門で、もう一人、岡井隆『馴鹿(トナカイ)時代今か来向(きむ)かふ』(砂子屋書房)。
 飯島さんに初めてお目にかかったのは、師匠の故・安原顯さんが始めた創作学校でだった。バルザックについて面白い話をしてくれ、最後に、私家版のバルザック論集が少し残っているから、欲しい人は連絡をくださいとおっしゃったので、授業が終わってからすぐに手紙を書いた。程なく白い上品な本が家に届いた。有難かった。
 出版社を始めてPR誌を出すことになり、まず、どうしてもヤスケンさんに書いてもらいたくて、電話で頼んだら、拍子抜けするほど明るい声で「いいよいいよ、いつまで」と引き受けてくださり、その原稿が「春風倶楽部」第1号を飾った。うれしかった。また、ヤスケンの本を2冊も出せた! その後、ヤスケンつながりで、飯島さんに「春風倶楽部」の原稿をお願いしたところ、快く引き受けてくださり、これまで数度原稿をお寄せいただいている。
 その飯島さんの読売文学賞受賞だ。うれしくないはずがない。社内ド真ん中に据えられた木の大テーブルに紙面をバサリと広げ、皆ですげー! すげー!と大はしゃぎ。飯島さんにすぐにFAX。ヤスケンさんもきっと喜んでいる。
 四月にはウチから飯島さんの本が出る! 傑作短篇小説集『ヨコハマ ヨコスカ 幕末 パリ』がそれ。