森鷗外訳『即興詩人』

 

・遮断機の先やゆらりと夏の海

 

朝、
コーヒーを淹れながら少しずつ読んでいるアンデルセンの
『即興詩人』
訳者は森鷗外。
文語文で書かれており、
すらすら読むことは叶いませんが、
こころを落ち着け
ゆっくりすすむと、
物語の世界が静かにひらけてくるようです。
口語文と比較し、
内容を理解するのに手間取るのに、
なぜあえて文語訳をえらぶかといえば、
ひとつにはリズム。
つい音読してしまいます。
無駄を省いた文語のリズムが心地よく、
からだ全体に響いてきます。
画家で絵本作家の安野光雅さんが一時
文語文に嵌ったことがあった
そうですが、
むべなるかな。
さて、これからコーヒーです。

 

・青々と息深くなる雲の峰  野衾